レザークラフトに挑戦。ハミルトンカーキ用の時計ベルトを作ってみました。
どーもfactm30です。
先日オーバーホールしたハミルトンカーキフィールドメカ。
オーバーホールを機にベルトを新調しようと思い色々調べていたのですがこれぞというものがなかなか見つかりません。
エイジングを楽しめる様にナチュラル色のヌメ革の時計ベルトを探していたのですが、普段チェックしているバンビやモレラートといった時計ベルトメーカーには響くものがありません。
ハンドメイド系のネットショップでは比較的多くのアイテムが販売されているのを見て、
「引き通しの時計ベルトなら自作できるのでは?」
と思い立ちレザークラフトに挑戦してみました。
以前にも携帯用靴べらのレザー部分を自作した経験があるのですが、
レザークラフトは全くの素人で、ネットで作り方を検索しながら見よう見まねで作ったので詳しい製作方法はご紹介できませんが、
「レザークラフトに興味がある」
「レザークラフトに挑戦してみたい」
という方の為に素人が時計ベルトを手作りしたらどうなるのかをご紹介したいと思います。
準備したもの
素材編
ナチュラル色のヌメ革
まずメインのヌメ革ですが下記のショップで購入しました。
↓タップで楽天のショップへ移動します。
こちらのショップでは革の大きさや厚み、カラーや革の品質等、様々な種類の革が販売されていますが私はA4サイズ/1,5mm厚/ヌメ革ナチュラルの革質6のものを購入しました。
革質はこちらのショップの基準で6、7、8の3段階評価に分けられていて数字が大きくなるほど革の質が良くなります。
多少のバラ傷があった方がハミルトンカーキに似合うかと思い(価格も控えめだし笑)革質6を購入しましたが、銀面(革の面側)は綺麗で傷などはありませんでした。
尾錠
尾錠はハミルトンカーキメカの純正ベルトをバラして使用するつもりでいましたが、どこを探しても純正ベルトが見当たらないので、他の腕時計に使用している社外製の革ベルトをDバックルに交換した際に余った尾錠を使用する事にします。
しかしこちらの尾錠は鏡面仕上げでピカピカの為、ハミルトンカーキのサンドブラストケースには合わないので細目の紙やすりで少し研磨してサンドブラスト加工風にしてみました。
細かい違いですが、これなら違和感なくハミルトンカーキに合わせる事が出来そうです。
裏張り
時計ベルトの裏側にはオリーブ色の帆布の端切れが残っていたのでそちらを使用します。
出来上がりのイメージは表がヌメ革で裏がオリーブの帆布なのでハミルトンカーキメカ純正ストラップの表裏逆バージョンです。
道具編
レザークラフトには専用道具が様々存在していてそれらを揃えるのは少々ハードルが高いです。
初心者の工具セットを購入しようかと悩みましたが、趣味でカバンやポーチ等を製作している姉に相談してみると、姉もレザークラフトに挑戦しようとした時期があり少し工具を持っているとの事。
という事で、今回はこちらの工具を姉から借りました。
革に裁断線を引く銀ペンや縫い穴を開ける菱目打ち、革用手縫い針やロウ引き糸、革用ボンド等が揃っています。
しかも姉は工具を購入した事で満足して全くレザークラフトに挑戦していないとの事で全て未使用です。
腕時計ベルト製作スタート!
通常腕時計ベルトは尾錠側と剣先側の2つで1セットになっていて、それぞれバネ棒を入れる為に片方は輪にして縫製する必要があります。
写真左の時計ベルトの青く囲った部分がそれにあたります。
一方今回製作する写真右の引き通しベルトはバネ棒を通す加工が必要無く、1本のベルトを製作するだけで良いので作業工程が少なく済みます。
以上の点から今回は比較的簡単に製作出来そうな引き通しベルトにチャレンジです。
ヌメ革のカットと穴あけ作業
現在使用しているストラップを参考にしながら、時計のラグ幅に合わせて革をカットします。
剣先はハサミで丸くカット。
次に「菱目打ち」という道具を使用して縫い目の穴を開けていきます。
これはレザークラフトならではの道具ですね。
革は布地と違って分厚くて硬いので革に予め穴を開けておいて、その穴に針と糸を通して縫い上げていきます。
また、菱目打ちを使用する事で菱形の穴を等間隔に開ける事が可能です。
本当は革の下にゴム板を引いて木槌やゴムハンマーで叩きながら穴を開けるそうですが、ゴム板が無いので押し付けるようにして小さめの穴を開けていきます。
穴を全て開け終わりました。
次に裏張りの帆布を加工します。
帆布は端を折り返して革の幅に合わせます。
この時点で尾錠のバネ棒部分を帆布で挟み込む様にセットしておきます。
これで表の革と裏の帆布の前加工が完了です。
手縫いスタート
いよいよ手縫いを始めていくのですが一般的にレザークラフトにはロウ引きされた糸を使用します。
縫い目の穴を通す時の摩擦や抵抗をロウの滑りによって軽減する為です。
また、縫い合わせる時に糸を強く引っ張るので切れにくい様に糸の強度を上げる役割もあるそうです。
姉から借りたセットの中にもロウ引き糸は入っていましたが、腕時計ベルトの様な面積の狭いものにはステッチが目立ち過ぎると感じ(裁縫用の糸より太目なので)、今回はデニム用のオレンジ色の糸を使用する事にします。
エイジングが進んできた時に馴染みそうなカラーです。
ただ先述した様に糸が切れない様に引っ張る力に注意します。
レザークラフトでは上の写真の様に一本の糸と2本の針を使用して縫っていきます。
詳しい手縫い方法は「レザークラフト 手縫い」で検索して頂きたいのですが表と裏の両方からクロスする様に縫っていきます。
また、糸を引っ張る方向や力加減に注意しないとステッチがガタガタになってしまいます。
レザークラフトにおけるステッチは腕の見せ所です。
今回レザークラフトの参考にさせて頂いたページの写真をお借りしましたが、とても綺麗にステッチが揃っています。
表の革と裏の帆布をクリップで固定しながら手縫いを進めていきます。
チクチク縫いすすめる事2時間以上。
縫いながら気付いたのですが、穴の開いた表の革と穴の開いていない裏の帆布を縫い合わせるのは非常に手間が掛かる方法でした。
なんとか縫い上がりましたが途中何度も諦めかけましたよ(笑)。
近くでじっくり見ると穴の大きさと糸の太さのバランスが悪かったせいか穴が少し目立っていますが、なんとなく糸が斜めに通っています。
裏側は数カ所歪んでいますが糸の通り方は直線的です。
仕上げ作業
小穴開け
縫い上がったベルトを腕に巻いて小穴を開ける位置に印をつけます。
ダイソーで購入したポンチで穴を開けます。
本当はこの穴をハトメで補強したかったのですが何軒か手芸屋さんに確認しても2mmのハトメを販売しているところがありません。
Amazonなどでは販売しているのですが最低でも100個セットでしか販売していないのでこのまま使用する事にします。
裏の帆布がほつれてこないか心配ではありますが・・・。
コバ磨き
その後は革の断面に少量の水をつけて帆布で磨いて艶を出します。
コバ磨きと呼ばれる作業ですがツルツルに仕上げたければトコノール等の仕上げ剤を塗りスリッカーと呼ばれる木の磨き棒を使って磨くのが良いそうですが、どちらも持っていないので水と帆布のみで仕上げました。
日光浴
この時点では時計本体をオーバーホールに出しているのでその期間を利用して日光浴を行います。
使用する前に全体的に日光に当てる事で、ムラなくエイジングが進みやすいそうですよ。
1週間ほど日光浴をした後に少量の革用オイルを塗布してブラッシング。
やっとのことで完成!!
と思いきや剣先を固定する定革と遊革を付けるのを忘れていました(泣)。
ベルトの長さは手首に合わせて調整しているので太めの遊革のみを付ける事にします。
遊革は裁断した革の裏側を糸で縫うだけでオッケーです。
という事で今度は本当に完成!!
オーバーホールから戻った時計本体に取り付けてみます。
いかがでしょうか?
他の腕時計を含めて今までブラックやダークブラウン、ダークオリーブなどの濃い色のストラップしか着用した事が無かったので少々違和感を感じますが、ハミルトンカーキメカの無骨なイメージによく合っているのではないでしょうか。
数年使用してブラウンにエイジングしていく様も楽しめそうです。
最後に。
レザークラフト初心者が腕時計ベルトを自作したらどうなるのかをご紹介しましたがいかがでしたか?
専門的な解説は皆無で、ただただ作業工程を記しただけの内容になってしまいました。
私は特別器用な訳ではありませんが、コツコツと細かい作業を行う事は大好きなので楽しみながらレザークラフトに取り組む事が出来ました。
先述した様にレザークラフトに興味があったり挑戦してみたいと思っている方が、このブログを読んで第一歩を踏み出して頂けたら幸いです。
最後にリストショットを。
オリーブカラーのカーゴパンツとも合わせやすくなりました。
今回購入したA4サイズのヌメ革は、そのほとんどが残っているので今度は名刺入れか文庫本カバーを製作してみようと計画中です。
腕時計に関する記事を他にも書いていますのでよろしければご覧下さい。
ハミルトンカーキメカの記事はこちらです。
腕時計のベルト交換の記事はこちらです。
リストショットに写っているカーゴパンツの記事はこちらです。