庶民の為の最高のドレスウォッチ。カルティエのマストタンクをご紹介。
どーも。factm30です。
先日、腕時計の今年最大規模の新作発表の場になるであろう「Watches&Wonders 2021」がコロナ禍の影響もあり、デジタルプラットフォームを中心に開幕しました。
私は腕時計を見るのが大好きで、高すぎて買えもしないのに(泣)今年の各メーカーの新作腕時計をチェックしていたところ、カルティエのアイコンウォッチである「タンク」シリーズから「タンク マスト」なるものが発表されていました。
1970年代に発表されカルティエの腕時計「タンク」を世間に広めた「マストタンク」の復刻と言えるのが「新作タンク マスト」になります。
そこで今回は、カルティエの人気ビンテージウォッチ「マストタンク」をご紹介します。
(注)カルティエ2021新作「タンク マスト」
カルティエ廃盤商品「マスト ドゥ カルティエ(通称マストタンク)」
今回ご紹介するのは、私が所有する廃盤商品の「マスト ドゥ カルティエ(通称マストタンク)」になります。
2021新作のご紹介では有りませんのでご注意下さい。
カルティエとは?
私如きが説明するまでもありませんね。
数々の王室御用達の特許状を受け、英国王エドワード7世から「王の宝石商、宝石商の王」と称されたフランスの高級宝飾メーカーです。
ジュエラーとしてのカルティエは誰もが知るところですが、カルティエと腕時計に深い関係がある事はご存知でしょうか?
諸説ある様ですがカルティエのサントスが世界初の男性用腕時計と言われていますし、革ベルトのデプロワイヤントバックル(Dバックル)もカルティエが考案した物です。
カルティエは腕時計の歴史を語る上で欠かせないメーカーなんです。
カルティエ「タンク」とは?
マストタンクはカルティエタンクシリーズのディフュージョンラインなので、まずはタンクの説明から。
カルティエのアイコンウォッチ「タンク」はその名の通り戦車がモチーフになっています。
今から100年以上前にデザインされたタンクは、戦車を上から見てキャタピラをケースの縦枠に、ケースを操縦席に見立てたデザインになっていて、メインの「タンクルイカルティエ」はほとんどその姿を変える事がなく現在に至りますが、古臭さは皆無です。
100年前に作られた完成されたデザインに様々な著名人が魅了されています。
イヴ・サンローラン、ジョン・F・ケネディ、イブ・モンタン、モハメド・アリ等タンクの愛用者を「タンキスト」と呼びます。
中でも「ポップアートの巨匠」として知られるアンディー・ウォーホルは時間を知る為では無く身に着けることが重要で、ゼンマイを巻かないで付けていたそうです。
そこまでタンクのデザインに惚れ込んでいたのでしょう。
マストタンクとは?
かなり遠回りしてしまいましたがやっとマストタンクのご紹介です。
ヴェルメイユ製法。
先程も書きましたが、マストタンクはタンクウォッチを広く世間に広めるために開発された廉価版になります。
タンクは金無垢ケースですがマストタンクのケースは価格を落とすために金張りケースになっています。
しかし王の宝石商と言われるカルティエは通常の金張りでは無く、非常に手間の掛かるヴェルメイユ製法と呼ばれるケースの下地に銀無垢(スターリングシルバー)を使用し塗り重ねるゴールドの厚さも20ミクロンと通常よりも分厚く、金メッキとは違う高級感があります。
カルティエのブランド力を守りつつ価格を下げる事に成功したのがヴェルメイユ製法と言えますね。
装飾されたリューズ。
ゼンマイを巻き上げたり時刻合わせに使用するリューズ。
マストタンクのリューズには人工ブルースピネルが埋め込まれています。
因みに高級ラインのタンクルイカルティエは人工では無く天然石が埋め込まれています。
これも低価格化の為ですがスピネルを無くしてしまうのでは無く、ヴェルメイユ製法同様デザインを損なう事無く、普及モデルを製作したという事は素晴らしいと思います。
更にミル打ちと呼ばれるパール状の細かい装飾が施されているのも宝飾メーカーでもあるカルティエのこだわりを感じさせます。
豊富なデザインの文字盤。
私が所有するマストタンクの文字盤はヴィンテージ感のある濃いアイボリー色にローマンインデックス、レイルウェイ分目盛にブルースチール製の時分針というマストタンクの一番オーソドックスなタイプです。
しかしネットで調べてみると色違いを含めると20種類程度の文字盤デザインが存在する様です。
この辺りも単なる腕時計メーカーでは無くファッションにも大きく関わる宝飾メーカーであるカルティエの考えが大きく反映されていると思います。
現代ではかなり小さいサイズ感。
マストタンクのケースサイズは縦31ミリ横24ミリとかなり小さいですがこれでもメンズサイズになります。
38ミリケースのハミルトンカーキとの大きさ比較です。
38ミリでも少し小さいぐらいですが全然違いますね。
マストタンクのリストショットです。
私は手首幅5.3cm手首周り16cmと男性にしては細い方で大きいサイズの時計は似合わないのですが、このサイズ感は現行の腕時計ではほとんど存在しないのでサイズ感もお気に入りポイントです。
ドレスウォッチで有りながらカジュアルにも。
薄型2針デイト無し、ローマンインデックスというデザインはドレスウォッチの定番です。
スーツスタイルやジャケットスタイルに合うのは当たり前ですがTシャツにデニム、スニーカーというカジュアルに合わせている方も多くいらっしゃいます。
流石にチャンピオン等のヘビーオンスのTシャツと色落ちしたデニムには他の時計を合わせた方が良いと思いますが。
マストタンクのコーディネートは?
というわけでカジュアルなスタイルに合わせてみましょう。
セントジェームスのウェッソンに濃いめのデニムに合わせてみました。
マストタンクの文字盤やゴールドケースの色味とウェッソンの色味を合わせたのですかいかがでしょうか?
リネンのプルオーバーシャツにカーゴパンツ。
ゆったりなシルエットにもマストタンクを合わせると少し格が上がったコーディネートになっている様に思います。
最後に。
カルティエのマストタンクをご紹介しましたがいかがでしたか?
私の所有するマストタンクは1980年代製造の手巻きのヴィンテージウォッチなので使用時は気を付ける事が多く少しハードルが高いです。
マストタンクは後期モデルではムーブメントがクォーツになるので手巻きにこだわりが無い方はそちらの方が選びやすいと思います。
マストタンクは2000年ぐらいに廃盤になっていますので最新のものでも20年経過しています。
ネットオークションでは比較的安価で出品されていますが、購入の際はしっかりとメンテナンスされた信頼出来るお店を選ばれる事をオススメします。
タイトルにもある様に宝石商の王であるカルティエが私の様な庶民の手に届く様に製作してくれた最高のドレスウォッチであるマストタンク。
正確な製造年は不明ですがおそらく私の年齢と同じくらいだと思います。
定期的なメンテナンスをしっかり受けながら、一緒に歳を重ねていきたいと思います。
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