factm30 かっこいいおじさんになりたい普通のお父さんのブログ

30代後半普通のお父さんの趣味やファッションや物欲の話

「私の好きな本10選」をご紹介。

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

どーも。factm30です。

はてなブログが10周年を迎えられたそうです。

おめでとうございます!

はてなブログでは10周年にちなんで10にまつわる4つのお題が展開されています。

その中のひとつ、「好きな○○10選」に挑戦してみたいと思います。

テーマは私の本棚にある本の中からジャンルを問わずに10作品選んでご紹介します。

並び順に意味は無く、タイトルの前の数字は順位ではありません。

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目次

「好きな本10選」

1「白い巨塔山崎豊子

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対照的な二人の医師、野心を剥き出しにして医学界を上り詰めようとする財前五郎と、自らの出世や欲を犠牲にしてでも患者の命や研究に純粋に向き合う里見修二を中心に、欲と権力にまみれた大学病院医学部を舞台に医学界の権力争いや医療事故、医事裁判等をテーマに描いた社会派小説。

 

文庫本で全五巻からなる非常にボリュームのある小説ですが、今までに何度も読み返している大好きな作品です。

外科医として天才的な技術を持ちながらもアクの強い性格の為周りに敵の多い財前が、権力と金を利用しながら(時には利用されながら)、教授選挙や医事裁判を戦っていく重厚な人間ドラマが展開され、続きが気になってどんどん読み進めてしまいます。

特に小説前半、表向きは紳士的な態度を取りながら裏ではドロドロした様々な駆け引きが繰り広げられる「第一外科教授選挙」は、各登場人物の性格や考えを分かり易く説明する内容になっていながら、ドキドキや苛立ち等様々な感情を持って楽しめるので大好きな部分です。

また、お互いをライバルと認め尊敬する部分はありながらも、医療に対する考えの違いから反発する財前と里見との友情はどうなるのか?

これまで手術を自分の名声や評判を上げる為の手段の様に考えてきた財前が、純粋に患者の命と向き合う時は来るのか?

という小説の終盤部分は何度読んでも涙を流してしまいます。

全五巻というボリュームとテーマの重さから手に取りにくい小説だと思いますが、何度か映像化されているのでドラマなどから入る方が読みやすいと思います(私は唐沢寿明白い巨塔のテレビドラマを観てから小説を読みました)。

 

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2「アヒルと鴨とコインロッカー」伊坂幸太郎

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大学入学のために引っ越してきたアパートでボブディランの「風に吹かれて」を口ずさみながら段ボールの片付けをしている「椎名」が、全身黒ずくめの「河崎」に、広辞苑を奪う為に一緒に本屋を襲わないかと誘われるが・・・。

 

大好きな小説家の一人である伊坂幸太郎の作品の中で、私が最初に読んだ作品がこちらの「アヒルと鴨のコインロッカー」。

「椎名」の視点から描かれる現在と、「琴美」という女性の視点から描かれる二年前の出来事が、交互に展開されるカットバック形式の小説です。

ネタバレしてしまうので深くは語りませんが、主人公の「椎名」はよく分からない内に「河崎」の物語に引き込まれて本屋襲撃の手助けをしていくように、読者である私も「椎名」になった気分でどんどん読み進めていった挙句、見事にトリックにハマってしまいました。

伏線回収の上手さを語られる事が多い伊坂幸太郎作品ですが、「あっ!だからあの時」というような後になって気づく小さいネタがたくさん散りばめられています。

手品と同じように、騙される楽しさを味わう作品だと思います。

 

3「プリンセス・トヨトミ万城目学

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大阪には400年間隠され続けている秘密があるが会計検査院の調査官3人が偶然なのか必然なのか、その秘密に迫っていき核心に近づいた時に大阪が全停止する。

大阪に隠された壮大な秘密とは?

 

作者の万城目学は関西地方の歴史や伝統にアホみたいな設定を巧みに織り交ぜて展開する「万城目ワールド」と呼ばれるエンターテイメント作品を多く描いています。

プリンセス・トヨトミ」でも万城目ワールド全開で、大阪出身大阪在住の私は大阪の秘密が徐々に明かされていく過程で「んなアホな」とツッコミを入れながら読み進めていくのですが、史実に基づいた話の中に「んなアホな」的な設定がとてもバランスよく紛れているので「これはホンマの話なんとちゃうか?」と感じてしまうほど物語の世界に入り込んでしまいました。

親子の絆や人と人の繋がりがテーマにもなっていて、物語後半では感動で涙を流してしまいました。

大阪の方なら馴染みのある地名や場所が登場したり、大阪人の気質もうまく物語に取り込んでいるので、大阪人におすすめの一冊です!

4「Aではない君と」薬丸岳

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充実した毎日を送っていた「吉永圭一」。

14歳の息子、「翼」が同級生の殺人容疑で逮捕された事によって吉永の人生が突然暗転する。

翼は犯行を認めるが動機については口を閉ざしている。

翼が何かを伝えようとしていると感じた吉永は様々な方法で真実を知ろうとするが、そのまま少年審判の日を迎えてしまう・・・。

 

少年犯罪をテーマにした小説を沢山描いている薬丸岳の集大成となる作品である本書は、物語の終盤まで犯行の動機を見つけ出すミステリー小説として進んでいきますが、最終章では裁判後の様子が描かれていて、そこからが本書の最大のテーマである「命を奪うことの重大さ」と「加害者の本当の贖罪と更生とは?」という誰にも簡単には答えの出せない問いへの、作者の渾身の答えが提示されています。

とても重いテーマで最初から最後までずっと暗い気持ちで読み進める事になりますが、これまで少年犯罪や、加害者と被害者だけで無くそれらに関わる関係者の苦悩などを、数多く描いて来た薬丸岳という小説家が辿り着いたひとつの答えに強く心を打たれました。

私自身、親として将来子供に読んで欲しいと思う一冊です。

5「スラムダンク井上雄彦

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女子にフラれ続ける高校一年生「桜木花道」が、一目惚れした「赤木春子」に気に入られようと入部した湘北高校バスケットボール部で、初心者にも関わらず人並外れた運動能力と負けず嫌いの性格で仲間と共に成長する姿を描いた、シリーズ累計発行部数1億2000万部突破の大人気バスケット漫画。

 

もはや説明するまでも無い程有名な「スラムダンク」ですが、中学高校とバスケ部だった私は、漫画とはいえ高校生がダンクシュートやアリウープ等のスーパープレイを連発する描写にリアリティを感じる事が出来なかったと言う理由(自分がバスケ部だからこそ)で、連載されていた当時全く読む気が起きませんでした(どちらかと言うとバスケ部以外の運動部が盛り上がっていた印象があります)。

しかし20代半ば頃、友人宅で何気無くコミックスを手に取って読んだ時にどハマりしてしまい中古で全巻一気に買い揃えて読み漁っていたのですが、引っ越しをした際に全て失くしてしまった事でまたもスラムダンク熱が冷めてしまいます。

そんな中、スラムダンク映画化が発表され私のスラムダンク熱が再び湧き上がって来たので、また全巻購入し直そうかな?と調べてみると表紙カバーを井上雄彦氏が新たに描き下ろし、物語の節目ごとに再編集された「新装再編版」なる物が2018年に発売されている事を知り、一気に大人買いしたのですが、新装再編版の帯には各巻の中の印象的なセリフが書いてあり、10年以上振りにも関わらずコミックスの帯を見ただけでそのシーンを思い出して号泣してしまいました。

10代の頃は全く読む気がせず、20代では楽しんだものの感動して泣くと言う事は無く、30代は熱が冷めたのですが、ようやく今になって、これからも号泣しながらずっと読み続ける大事な作品だと気付く事が出来ました。

 

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6「ファクトフルネス」ハンス・ロスリング

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スウェーデン出身の医師であり公衆衛生学者のハンス・ロスリングとその息子オーラ、オーラの妻アンナの3人が「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」(ファクトフルネス)をテーマに、豊富な経験とデータや実例を示しながら分かりやすく世界の事実を解説した一冊。

 

こちらの一冊は過去に当ブログで記事にした事があるので、

 

sp500factm30.hatenablog.com

よろしければそちらを読んでいただければと思うのですが、少しだけ解説を。

まず本の冒頭に世界の事実にまつわる13問のクイズが出題されます。

三択問題ですが、政治家や大企業の役員、大学教授やジャーナリストなど、比較的高学歴で国際問題に興味のある人達でも、ほとんどのクイズに正解出来ない事が紹介されます。

クイズの答えを分析すると世界の事を知らないと言うより、みんなが同じ様な勘違いをしている事が分かると指摘しています。

その後13問のクイズの答えを、データを用いて人間がどのような勘違いをしているのかを解説し、正確に世界の事実を知る方法が説明されています。

日本では2019年1月に販売されて話題になりましたがコロナ禍の際に再注目されるなどし、私が最近書店に立ち寄った際には、話題の本コーナーに平積みされており帯には100万部の文字が踊っていて、まだまだ注目度の高い一冊の様です。

7「インデックス投資は勝者のゲーム」ジョン・C・ボーグル

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投資信託会社バンガードグループの創業者であるジョン・C・ボーグルが、株式市場から利益を得る常識的方法、すなわちインデックス投資について様々なデータや証言を用いて紹介するインデックス投資家必読の一冊。

 

NISA制度の創設や年金2000万円問題、最近の米国株人気にあやかったYouTubeやブログ等、ここ数年で投資が一般人にも身近になった気がしませんか?

私も数年前までは「投資はお金持ちがするもの」という認識でしたが、つみたてNISAの制度が創設されてから、老後の事を考え少しずつ勉強してきました。

投資にはリスクがあるので全ての人が投資すべきとは思いませんが、投資をするしないに関わらず基本的な投資の勉強は全ての人がするべきだと思っています(変な投資商品を掴まされたり、騙されない為にも)。

この書籍はその流れで少し勉強した後に出会ったのですが、インデックス投資の優位性について強く主張したものになっています。

もちろん本の内容を全て理解している訳ではありませんが、「長期・分散・低コスト」という方針がいかに優れているかと言う事を様々なデータや視点から、これでもかと言うぐらい主張されていますのでコロナショックなどの暴落時、少し不安になった時に読み返してその力強い主張に安心感を得るという、私にとってお守りの様な一冊になっています。

8「父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやい経済の話。」ヤニス・バルファキス

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ギリシャの元財務大臣であるヤニス・バルファキスが経済学者ではなく、父として自分の娘に語る様に書かれた、経済の本質を分かり易く説明している一冊。

 

経済に疎い私が、「少し勉強しないとなぁ」という思いで本を探している時に出会った一冊で、タイトルの「とんでもなくわかりやすい」の一文と帯のインパクトに釣られて購入しました。

実生活に基づいた例え話や海外の寓話、SF映画の話を交えながら、経済格差やお金の成り立ち、銀行の仕組みや金利や借金、産業革命、仮想通貨など、様々な経済の話を解説していますが、経済に疎い私でも物語を読んでいる様で、とても楽しみながら読む事が出来ました。

もちろんこの一冊を読んだ事で経済の事が全てわかると言う訳ではなく、私の様にこれから経済の勉強をしたいと言う方、堅苦しくなく読みやすい経済の本を探している方におすすめです。

著者は経済を専門家に任せていてはいけないと主張しています。

全ての人が経済に関心を持ち、今後の生き方や将来を考える事が大事なのでは、と思える一冊です。

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9「機械式腕時計大全」本間誠二

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時計師の本間誠二氏監修による機械式腕時計の歴史や基本的な構造、各腕時計ブランドの紹介やトゥールビヨンやミニッツリピーター等の複雑機構の紹介やメンテナンスの重要性等、機械式時計の魅力を紹介した一冊。

 

私が機械式腕時計を購入して使用していく内に、機械式時計がどのようにして時を刻んでいるのか、そのメカニズムをもっと深く知りたいと思い購入した一冊です。

基本的な懐中時計をを分解する工程や、全ての構成パーツをひとつずつ写真に収め名称と共に紹介していたり、ゼンマイに蓄えた動力をどの様に伝えていくのか、脱進機と呼ばれる正確に時を刻む為の機構の構造や動き方の解説などを見ていると、小さな腕時計の中で小さな部品が複雑に時を刻んでいる事を実感することが出来ます。

少々マニアックですが機械式腕時計をより深く知りたいという方におすすめの一冊です。

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10.「失われた愛を求めて」吉井和哉

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ザ・イエローモンキーのボーカルであるミュージシャン吉井和哉が、父の死や結婚、バンドの解散など自身の半生を語った自伝。

 

私はザ・イエローモンキーというバンドが大好きです。

イエローモンキーに出会って人生が180度変わったとまでは言いませんが、CDや DVDやライブ等に使うお金にブレーキが掛けられないぐらいに楽しませてもらっています(笑)。

そんな大好きなバンドのボーカル吉井和哉の自伝を好きな本として選びましたが・・・、実は好きではないです。

というか、あまり読みたくないです。

この本を読む限り、私の中の吉井和哉の印象は「ダメ人間」です(泣)。

もちろん人それぞれの「生き方」は自由ですが、音楽に関しても「悩み」「迷い」「間違い」を繰り返しているように感じます。

私の個人的な意見ですが、他のミュージシャンは自分の音楽に堂々としている中(その様に演じているだけかもしれませんが)、吉井和哉は(自分の音楽に絶対的な自信を持っているのに)周りの声に惑わされたり自分を卑下したりする事が多く、本書を読んだ時もその様に感じました。

過去のインタビュー等を読んだ時もそうなのですが「自分がファンでいてあげないとダメだ」と思ってしまうのです。

しかしそんな気持ちで吉井和哉の音楽を聴きライブに行くと、そんな感情が全て吹っ飛ぶ程、格好良いロックスターとしての姿を見せてくれるのです。

先程の気持ちと真逆で「ファンになって良かった」と心から思う瞬間です。

そんな時、悩みや迷いを繰り返しながら音楽を生み出す吉井和哉はとても格好良く、何も間違っていないのだと私は気付かされます。

そして、そんな吉井和哉の事を深く知りたいと思い私はまた、好きでは無いこの本のページをめくってしまうのです。

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最後に。

私の好きな書籍10選をご紹介しましたがいかがでしたか?

読書に関しては趣味というより日常の一部となっていますが、読書歴もまだ10年程度ですし読むスピードも遅いです。

読んでいるのは小説が多く、ビジネス書はまだまだ少ないですがこれからも色々なジャンルの本を読んでいきたいと思います。

その過程で良い本に出会った時は、また紹介させて頂きますのでどうぞお付き合い下さい。